待っていたのはいいが、何と言って話しかけたらいいのか分からずいいんちょーの50mくらい後をついていくことしかできなかった。


すると、突然いいんちょーは立ち止まりそのまま固まってしまった。


どうしたんだ?


少し不審に思って目を凝らしていいんちょーの前を見る。


いいんちょーの前にはフードを深くかぶった男がいた。


その男の手には料理用の包丁が握られ、不気味に笑っていた。


うわさになっている通り魔だった。


何も考えられなかった。


いや、考えるより先に体が動いていた。


ただただいいんちょーを失いたくないと思った。


通り魔をブロック塀に殴りつける。


通り魔は包丁を落としたのも気にせず、走り去っていった。