side アオイ





「はっ、はぁ……っ。」





時間切れだと分かった俺は、最愛を置いて、山の中を駆け抜ける。





マンタが引き止めてるらしく、最愛は追って来ない。





もっと走って、出来るだけ最愛から離れたかったが。



どうやら俺の体は限界ならしく、ある程度走ったところで、俺の足は崩れた。





「くそっ……!」





まるでそれを見計らったように、俺の目の前をヒルナが飛んだ。





「アオイ様……。」





夕日が沈む。



体からの煙は、人間の姿を保つタイムリミットのようなもの。