この力のおかげで、俺は最愛の前に姿を現すことができた。





最愛は驚いた顔をして、俺を見た。





俺を知らない最愛。



名前を聞いても反応しない最愛に、胸が痛くなった。





本当の姿で現れなかったのは、最愛に会うのが怖かったから。





本当の姿で会っても、最愛が俺をわからなかったら……?



簡単には立ち直れないのがわかる。





最愛に会うのが怖くて、この姿になったのに……。



今は、俺の本当の姿を知って、最愛が離れていかないかが怖い。


本当は人間じゃない俺を見て、最愛は逃げないだろうか。