そして、きっと中本さんは……。
「死ぬ気、だったんだ。」
私の心の声を、中本さんが代弁するかのように口を開く。
「自分でも分かっていた。亜希が死んで、俺は最愛を亜希の代わりにしようとしている。」
隣にいるアオイがピクッと眉を寄せた。
傷だらけで、至るところから血が出ているのにも関わらず、アオイは瓦礫やガラスの上に座る。
「そんな自分が許せなくて。上手く事が進めば、こうやって爆発して死ぬ気だったんだ。」
そう言って、中本さんは手元にあるピンの抜かれてない手榴弾を見せる。
「思ったより、威力は低くて失敗になったけど……。」
「傷だらけの人が何言ってるんですか……。」