side 山添最愛
朝八時
「お祖母ちゃん! 行ってきまーす!」
「気ぃつけてぇなぁ。」
今日は土曜日。
学校が休みということで、私は朝から山に出向こうと思っていた。
悠ちゃんの行方不明騒動から、早くも数週間が経った今日。
あの時言われた言葉を私は思い出す。
私は信じた。
アオイの言葉に、偽りがないことを。
正直、頭は今だに混乱してる。
アオイの一族での、強い力
その力を使った儀式
人間として、私と再び出会った理由
混乱しながらも、私は受け入れた。
それはきっと、アオイの言葉だったから。
誰よりも私の近くにいてくれた、アオイの言葉だったから。