それぐらい、コイツの冷たい眼は冷たくて怖いのだ。
「……分かっておるのだろ?」
「あぁ……。」
「命が随分、減っておる。儂じゃ、その命を戻すことは出来ぬ。」
「分かっている。」
そんなこと、クンのときから分かっている。
「…………だが――。」
カミリが去っていく。
俺に言葉を残して。
「何だよ、それ……今更……。俺に、選べというのか……?」
ヒルナに、選ばせろというのか……?
「仲間と最愛を、天秤にかけろと……?」
なんで今になって、そんなこと……。
思わず、笑いがでる。
「確かに、あの者の命は短い。……だがそれ以上に……マリン。お前の命はもっと短い。」
「覚悟が出来たのなら、マリンよ。儂の元へ来い。」
最愛の泣く姿が、眼に映った。