背中に回された前脚が、強く引かれる。





ポスンと、大きな体に私の体が埋まった。





「……俺は、お前に怖がられるのが一番怖い……。」





私を潰さないようにと、本当に優しく私を抱きしめるアオイ。



背中にまでは回らないけど、私もアオイの背中へと出来るだけ腕を伸ばし、できる限りアオイを抱きしめた。





「そう思いながら、俺はずっと逃げていたんだ。」





震える、白くて大きい体。



顔は見えないけれども、声も少し震えてる。





「大丈夫だよ、アオイ。」





私の涙は、とっくに止まっていた。