side 山添最愛





ズキンとした頭痛が、頭を襲う。





「……今……五十……か。」



「アイ……は、いつ……です……。」





近くで、アオイとマンタの声がする。





手には暖かい体温。



ふさふさとしてて、毛並みのよう。



でもそれを握ると、ホッとした気分になる。





「……最愛?」





名前を呼ばれ、ゆっくりと眼を開ける。





そこにいたのは、あの白くて蒼い眼をした



「狼……。」





「……体は、大丈夫か?」



「ん……平気。」





体を起こして、辺りを見渡す。





自分がどこにいるのか、見慣れた周りを見るとすぐにわかった。