事故に遭って以来、一度だけ、最愛の様子を見に都会まで行った。





最愛は都会の病院に運ばれ、そのまま赤坂村には戻って来なかったから。





元々、事故の遭ったその日は、最愛が都会に帰る日。



好都合と言えば、好都合だったのかも知れない。





都会まで行くのは、少々骨が折れた。



最愛に会いたい一心。



それだけだった。





最愛の匂いを辿った先、そこは病院で、最愛が眠っていた。





死んでいない。



それを知ったあの時、どれ程嬉しかっただろうか。








予感はしてた。





最愛は、生きてる。



だけど、きっと無事ではない。