血を分ける



つまりは、相手に自分の血を含ませるということ。





この行為には、いくつかリスクを伴う。





一つ目は、当たり前のことなのだが体調不良になる。



血が減り、分ける側として言わば貧血になるのだ。





二つ目は、長い間人間の姿を保つことが出来無くなるということ。



これは一つ目とリンクするが、この行為によって力も減り、人間の姿を保てる時間が短くなったり不安定になったりする。



三つ目、これもまた一つ目とリンクして、能力が衰える。



自分の分と、分けた相手の分の力を使うことで、それ以外の能力に支障を及ばすことも少なくない。




人間になれるという利点を除いて、唯一良かったと言えるのは、ヒルナはまだしも、俺やマンタからすると血の味が苦じゃないことぐらいだ。



と言っても、元々血を持つ俺には関係無いのだが。





「何言ってんだよ、ヒルナっ!!」





マンタが声を荒げた。