よく告白で終わったりする小説もあるけど、この小説は告白から始まってたりする。

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5月10日

「お前は、俺とどうなりたいんだよ。
お前は俺のことが好き、それで?」

ん?…
告白の返事ってこんな感じなの?

うち、水島 歌音。
先ほどずっと前から好きだった森口 真君に人生初の告白とやらをしました。

が、

「えっと、その…」

どうなりたいか聞かれたんですけど…

「う、うち的には、も、森口君の気持ちを聞かせてほしいです。」

「俺の気持ち?手紙で呼び出されて…それだけ。それより、お前はどうなりたいんだよ。
一、このままなんもなかったことにする
二、友達ですらなくなる。
三、付き合う。」
「え…」

なに、この選択肢…
そんなの、決まってるじゃん…!

「付き合いたい、です…!」

「んじゃ、もういいだろ。帰る。」
「あ、うん、ばいばい…」

ん?
なんか違うくない?
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いまだから言えること。

もし、選択肢が四つあったら、
四択目は、君がうちを"好きになる"が良かったのな…


まぁ、そんなことは絶対ないってわかってるけど、

その日のうちは、嬉しかったんだ。
やっと付き合えたんだって。


でも、その日から何かが変わることはなかった。

変わったのは、うちの心が毎日のように傷つくようになっただけ。