「ことねっ」
後数分もすれば学校だ、というころ、一人ぼっちで寂しく登校してきた私に喋りかける誰か。
「あぁ、咲羅!おはよ!」
私の数少ない昔ながらの友人。
城田 咲羅。同じクラスで席も近い、頼れる親友様。
「おはよ〜っ!今日ね、二つに結んできたの。先輩、気づいてくれるかな〜?」
「咲羅なら大丈夫よ。この前焼いてたクッキーも反応良かったんでしょ?」
「いや、だってあれは琴音に手伝って貰ったから成功しただけだし…」
朝の話題は、咲羅が片思いしている3年生の先輩。
同じ委員会の人とかで、私はあまり良く知らないけれどとっても優しい人みたいだ。
1回だけでも会ってみたいような気はするけど。
咲羅の片想いは咲羅が叶え無ければいけないものだ。
私が会って、どうなるわけでない。
__ましてや、自分の気持ちに決着を着けれてないのに。