俺がそう言うと
その人は、一瞬ピタッと固まった
しばらくすると。


『ってあぁ? もしかして? 紅槻クンの息子さん?』


何故? 
俺を知っているんだ?


「何で? 俺の事知ってるんですか?」


『だって紅槻に聞いたし?』



あれ?
さっき呼び捨てじゃなかった?


「あなたと父さんってドンナ関係なんですか?」


『あぁ? あたし? 旦那が紅槻の親友なのぉ!?
しかもあたしも紅槻の友達ぃ!?』



ん?
ってことは?


「あぁ!? もしかして? 須葵山 美碕さん?」


何で俺が知っているかと言うと
小さい頃にあったことがあって。
その娘にかなり俺、いじめられてて。


そんな苦い思い出が…


「すっすいません俺用事があるんで!? じゃっ」



俺は、一瞬爽やかスマイルをその人に向け
ビルへと走った。


俺、あの人怖いんだよ?
まぁその娘だけど?










はぁ…怖い。