「死ね野崎ぃ〜!!」




「おい飲み過ぎ、ちょっとは落ち着けよ」



「落ち着いてるよ!
なーにがクリスマスだよバーカ!
くだんねー!!!」





失恋した私が流れ着いたのはいつもの居酒屋。



隣にはいつもの男。





「つーかクリスマスに失恋とかどんだけだよ、ギャグか?」




ホットワインを飲みながら呆れたようにそんなことを言う奴は箕島陸(みしまりく)。



同じ大学の同じ学部の同じ学科の…ゼミまで一緒。




「ギャグじゃないし!
私だって好きで失恋したわけじゃないっつーの!!」



「あぁもう何でもいいから水飲めよ水」




「やだ!
店長、ジョッキおかわりー!」




「あぁもー…」






面倒くさそうにため息をつく箕島。



箕島とは大学に入学したばかりの頃に参加した飲み会で知り合った。




そこでなぜか意気投合し、三年になった今でもちょくちょく二人で飲みに行っては、他愛もないことを話す仲。