「花、入学式の時にこの前みたいに誰かにぶつからなかった?」


えー?

あ…そう言えば、誰かにぶつかった。

で、この前みたいに逃げた。


そう言えば顔を見てなかったな。

「え、もしかして…?!」

そこで何かを察した私に向けて先輩は微笑んで


「それ俺。」

と言った。

「やっぱり。先輩だったんですね。」

「うん。で、そっから気になってた。」


そんなに前からなのか。


私より前なのが少し悔しいかな。


「私の方が先だと思ってた。」

そう言って少し拗ねた私の頭を撫でる先輩。


「大好きだよ、花。」

「私もだよ、晃。」


私達はもう一度キスをした。