「ま、待って…!!」

いきなりまた呼び止められて、振り返る。

「好きな人、誰ですか。」


私は正直、答えようか迷った。

でも、答えてくれたら諦めると言ったので仕方なく言うことにする。


「…晃先輩。羽斗場 晃先輩が好きなの。1年前から、ずっと。」


遠藤君はありがとうと手を振りながら去って行った。


私も教室に向かおうと思って、振り返る。


そこには一番居て欲しくなかった晃先輩の姿があった。


「三浦、今の…。」

「…っ!!」

私は気づいたら走り出していた。


「…っ、おい?!」

先輩の呼びかけにも答えずに一心不乱に2年生の教室を目指す。