頭が追いつかなくてパニックになる。

心臓はドキドキしてる。

声すらも出ない。


それでも、この温もりを手放したくないと思えた。


「ねぇ、杏。」

「…ん?」

頭上から聞こえる蓮斗の声に。

胸に響いてくる声に。

私のドキドキは最高潮。


「…キスしていい?てか、我慢できないから…する。」

「…へ?!…んっ…!!」

間抜けな声を出したのと同時に降ってきた蓮斗の唇。

その柔らかな暖かい感触が、現実なんだと現していた。


顔が離れる。

蓮斗はやっぱり余裕な顔をしていて、悔しかった。

「杏。真っ赤。可愛いー。」

「もー!!」


誰のせいだと思ってるのよ!!

昔から意地悪なんだから!!