私は恥ずかしくなって俯こうとする。


「俯くの禁止〜。」


素早く蓮斗に顎を上に向かされ、俯くことが出来なくなった。


目の前には蓮斗の顔があった。


今になってその距離が近いことを意識する。


「あ…の、蓮斗…?」

「んー?」


蓮斗は意地悪な笑みを浮かべ、余裕な雰囲気を醸し出している。


こ、この時の蓮斗は危ない…!!

長年の直感から、逃げようと身をよじる。

いつの間にか腰に回っていた蓮斗の腕の力が強くなるだけで、抜け出すことは出来ない。

なおもニヤニヤしている蓮斗。


「は、離し…。…キャッ!!」

離して、と言おうとしたところで腕を引っ張られ、蓮斗の胸に抱き留められた。


えっと、これって…。

わ、私、、蓮斗に抱き締められてる…?!


そう認識した途端に私は顔が赤くなるのがわかった。

多分私は今、真っ赤であろう。