「蓮斗が言ってくれたら、話すよ。」
私の問いかけに蓮斗が答えてくれたら、その時は伝えよう。
好き。
寂しかった、と。
ずっと大好きだった、と________。
でも、現実はそんなに甘くなかったんだね。
「………婚約者が、、いたから。」
え?今、なんて言ったの?
_________婚、約者?
確か、蓮斗のお父さんは大企業の社長。
そう、だよね。
婚約者ぐらい、いるんだよね。
何を勝手に期待していたんだろう。
親の都合で行って…。
そして、私に会いに戻ってきて、そして、探してくれてるのだと。
そう、勝手に勘違いしてたのは、私。
「そ、そう…なんだ。」
やっとの思いで振り絞って出した声は自分でも驚くほどに掠れていた。