「私、いつまでこーしてるんだろうな。」
「あぁ、まったくだよ。おかけで俺はめっちゃ面倒なんだけど。」
私がぼそっと呟いたものに返ってくる言葉があり、戸惑う。
私だけしかいないと思ってたから。
そして、この声は私が今、一番逢いたくなかった人物。
恐る恐る声の方に視線を向けると
入口にもたれかかり腕を組んで私を見ている
蓮斗の姿があった。
「な…、なんで…。」
なんで、蓮斗がいるんだろう。
茜や藤原じゃなく、蓮斗が。
「なぁ、杏。なんで俺を避けるの?」
私の問いかけは無視して、そう聞いてくる蓮斗。
…私が質問してたのに。
昔っから人の話聞かないよな。