正直、昔からリカコは苦手だ。


『一人ぼっちは嫌』


その口癖の通り、リカコは絶対に一人にならないように計算を働かせる。


自分のプラスになりそうな人間にはすり寄って行き、マイナスになりそうな人間は片っ端から蹴落としていく。


気に食わない相手ができると、リカコはすぐに行動に移した。


昔、近所の友達とみんなで公園で遊んでいるとき、一人の女の子の髪留めが無くなったことがあった。


追いかけっこの邪魔だったお花のついた髪留めをベンチに置いておいたらしい。


『パパとママからもらったのに……』


泣きそうになる女の子を必死で励ましてみんなで公園内を探し回る。


あたしは髪留めを探すことなく、スカートのポケットをギュッと握りしめるリカコに近づいてき声をかけた。