「ふぅん。じゃあ、全部言っちゃおうっと」


「何を!?」


「杏が小学生になってもおねしょしてたこととかー、小学校高学年になるまで一人寝られなかったこととかー、リカコが知ってる情報、全部遥斗にしゃべっちゃおうっと」


「や、やめてよ!!」


「やめないよ。やめてほしかったら、遥斗をちょうだいよ」


「だから、それはできない!!あのね、リカコ。リカコはもう高校生だよ?小学生の頃はそうやってワガママ言っても許してもらえたかもしれないけど、もうみんな許してくれないよ?」


「杏も?」


「当たり前でしょ!」


「ふぅん……。マジウザい」


「はっ!?ちょ……!!」


呼び止める前にリカコはクルリと背中を向けて歩き出す。