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第4クォーターが終わりホイッスルが鳴らされた。
「「あざっーした!!」」
みんなが挨拶をして、ベンチに戻ってくる。
本当ならこんな大事な大会の一週間前に試合なんてしないのだけれど相手校も「新メンバーに慣らしておきたい」とのことで試合をすることが出来た。
「みんな、お疲れさま! 今日はこれで終わりだからケアして早く帰ってね 自主練習は長くても1時間まで それ以上はだめだよ!」
相手が帰ったあと美緒ちゃんが声をかけ、みんな散らばり出した。
「……星野さん」
名前を呼ばれて振り向くと、桜井くんがいた。
「さ、桜井くんどうしたの?」
「あの……ことあと少しだけ」
と、それをさえぎる声。
「陽太ー! 帰ろう!」
「あ……」
笠見くんの顔を見て私のほうに視線を戻した。
「すみません、明日の放課後 練習が終わったあとに少し話があります」
「うん、わかった……」
そう言うと桜井くんは笠見くんが待つほうへと走っていった。
まさか向こうから声をかけてくるなんて思ってもいなかった。
「良かったな葵」
肩に手を置かれて一瞬ビクッとした。
「あ、龍くん……」
「頑張れ」
ただ頷くことしか出来なかった。