朝食を食べ、学校に行く準備をした聖人。

今日の3時間目は数学か・・
勉強はできるが、得意って訳ではないんだよなあ・・・

3時間目の授業のチャイムが鳴る。
数学教師は学校のアイドル教師の清美ちゃん。
学校では一番若くて美人な教師で、思春期を生きる中学生にとって
憧れの存在だ。
髪が長く、たまにまとめ髪をしている姿がたまらなくいい。
実際みんなブログの書き込みには大体清美ちゃんって名前が載っている。

数学教師清美「はい。授業を始めますよ~。」
確かに美人だ。将来あんな人と結婚するのだろうか・・・。

それにしても昨日の話。近い将来って・。
結婚するぐらいまでは滅びるの待ってくれないかな・・。
なんか授業に手がつかない。

「あれですよ。」
聖人「!!!!」
聖人はうっかり大声を出しそうになった。
いきなり後ろから話しかけたからだ。
ゼルエルは他の人間には姿が見えない。霊体なのだ。

聖人「(いきなり話しかけるのやめてくれよな・・。)」
ゼルエル「あれが「人形」です。」

その人が指差す相手は・・・。
聖人「清美ちゃん!!」

教室がざわめく。聖人がまじめで学級委員を務める普段の姿から
想像できない。先生をちゃん付け呼ばわりな上、大声を出して
席を立ったからだ。

聖人「(ばかな。清美ちゃんはずっと1年の時からこの学校に居るし、
特に人に危害を加える様子も・・。しかも「人形」って人形なんだろ。
あんなに動いて知識も感情もあるもんなのかよ・・・。)」
ゼルエル「(そうです。極めて精巧に造られています。
人間の造りをベースに生み出された人形です。普段は人の生活に溶け込んで
居ますが、いろいろ工作をしたり、直接危害を加えたりしています。
本物の彼女はもう既に死んでいるようですね・・。)」
聖人「(何だって!!!!)」

一人愕然とする聖人。しかし回りに居るクラスメイトにしてみれば
突然立ち上がり、そのまま硬直している聖人の姿があった。


清美「こらそこ、聖人!!何なの授業中に!
授業受ける気が無いのなら、廊下にバケツを持って立ってみる?」
松田「へへーん、いい気味でやんの。」
聖人「(くそっ!松田めっ!!)」