次の朝、聖人は昨日の出来事が夢かと思っていた。
あんな事、現実味がない。

そうだ、疲れているんだ、
そう聖人は思った。

ゼルエル「夢ではありませんよ。」

びくっ!!と体を振るわせる聖人。
聖人「夢じゃないのか・・・。」
ゼルエル「そうです。現実ですよ。」

聖人「なあ」
ゼルエル「何ですか?」

聖人「俺、戦わなきゃだめかな?」
ゼルエル「戦いたくないですか?」
聖人「俺が戦う理由がない。」

ゼルエル「なるほど。戦う理由ですか・・・。」
聖人「そうだよ。他の人をあたってくれよ。」

ゼルエル「無理もありません。
でも少し共に居させてください。戦う理由があなた自身に見出せるかも
知れませんし、いろいろ知ってみてそれでもなお戦う理由がないと言うのなら
他の人間をあたります。」

聖人「ん、そうしてくれ。悪いな。」
ゼルエル「・・・・。」

少し悲しげな顔をゼルエルがしたように見えたが、気づかない振りをした。