あっという間に受験の日がやってきた。
聖人は遙と一緒に受験校の星稜に来た。


遙「緊張するね。」
聖人「ああ。でもやることはやったし、っていうか俺はそんなに難しくない。」
自信満々に答える聖人。
遙「えぇ~なにその自信?」
とクスクスと笑う。

聖人にとっては彼女の笑顔がすごく可愛く見えた。
聖人は顔を赤らめている。
遙「いこ?」
ぼけっとする聖人を覗き込むように遙が言った。
聖人「ああ、わりぃ。」

いよいよ受験だ。受験会場に入って少し気合が入る。
戦いが始まる前に、受験ぐらいはやっておきたい。
最近影が薄いゼルエル。
一時的に平和って感じがする。
できれば敵さんやってくるな。
心から聖人は願った。
遙「じゃあ、私こっち。また後でね?」
そういってくるっと振り返った。
一緒にこの高校に行きたいと思った聖人だった。

さて受験会場に入って受験票を確認する。
聖人は前から4列目の席で窓際になった。
今日は晴れていて、受験をするにはもったいないくらいだった。

聖人「ああ~、いい天気だなぁ・・・・」
受験開始まで少し時間があったので、聖人は少しぼんやりしていた。

ゼルエル「聖人?」
聖人「おお、いたのか。今日はおとなしいじゃん。」
心の中で話しかける聖人。
ゼルエル「ええ、今日はあまり負担をかけない様にと思いまして。
がんばってくださいね。せめて戦いで蓄積した分の疲れは取ってあげましょう。」

ゼルエルがそう言うと聖人の体から疲れがすうっと消えた。
聖人「これは・・・・!?」
ゼルエル「聖人は戦いの連続で、戦いの中だけでなく、
常に浅い緊張を保ったまますごしていました。疲れが溜まっていたのです。
その疲れを取り除きました。聖人の実力を操作するわけではなく、本来の状態に
戻しただけなので問題ないでしょう。」
聖人「頭の中がすっきりしてきた。すげぇ。」

ゼルエル「がんばってくださいね。」
聖人「ああ。ありがと。」

聖人は受験に集中することが出来た。
自分はある程度自信があるが、遙は大丈夫だろうか?
あってはならないが、もし万が一、一緒の学校でなくなったらそれはそれで
戦いに巻き込まなく済む。
そう思った。