「ゆっくり説明します。突然の出来事でなかなか理解できないかもしれないけど。」
そういってゆっくり落ち着いた口調で続ける。
「名前、聞かせてください。」
少年「っておい、天から来たなら名前ぐらい・・」

そう言おうとする少年を塞ぐかのように
「直接あなたの口から聞きたいのです。」
と毅然とした態度でその人は言う。
むすっとした少年はしぶしぶ答える。

少年「聖人。(まさと)」
「では聖人、あなたには私と一緒に戦ってほしいのです。」
聖人「たたかう・・?」

「そう、戦って欲しいのです。私たちが協力して戦うには、正義感の強く、
そして汚れの無いものでなければなりません。」
聖人はいろいろ訊きたい事があるが、とにかく全てを一旦
おとなしく聞く事にした。
「今、この世界は終わりが近づいています。近い将来この世界のほとんどの
人間が絶える事になるでしょう。
それはあなた自身が戦う直接の理由では無いのですが、
問題はその終わりが来るまでの間、直接人間に物理的危害を加えて
終わり前に人間を殺そうとする者が居ます。

終わりの時に生きるか死ぬかは貴方個人の選択の結果。
でも、選択をせずに殺されてしまったりする事は予定の範囲から
少しだけ外れている事なのです。
先述の者達は便宜上「人形」(ドール)と呼んでいます。
私たち天の使いは、人間に直接触れることを良しとしません。
それは敵も同じです。
だから彼らが生み出した「人形」を使って人間に危害を加える
様になったのです。

この「人形」を倒して良いのは、貴方方人間だけなのです。」

聖人「・・・・。」
まったく意味が判らない。そもそも人間の世界が終わる?
さらっと言っているけど、そっちの方が問題じゃん。
滅びる前に人が死ぬことに大した意味が、滅びるって判ってて
守る事に意味があるのか?
大体「人形」って?天の使いが直に倒せば良くない?

「まあ、普通に考えればそう思われるでしょうね・・。」

聖人「っげ!!考えを読まれてる・・・?」
聖人は心の中でびっくりした。

「ふふふ・・・。」
そうくすくすとその人は笑う。