聖人「どういうこと?」
ゼルエル「別に敵を倒すのに炎も水も必要ないのです。
「攻撃」をイメージしたら「攻撃」されます。
結果を引き起こす力、それが聖霊の力です。」
聖人「ゼルエルみたいなのが別にいるってこと?」

ゼルエル「違います。私たちは霊体ですが、実は私たちも聖霊によって
構成されています。ただし、聖霊はあなた方でいう人格はありません。
「力」そのものです。」
聖人「ふうん。難しいなぁ。」
わしゃわしゃと体を洗いながら聖人がつぶやく。

ゼルエル「そうですね。まだ理解するには時間が必要ですね。
続きを説明します。本当に理解するのは先になるでしょうが
今は一通り説明します。」
聖人「うん。」
ゼルエル「聖霊は結果を引き起こすということで無駄が一切ありません。
あなたのイメージのように何かを唱えるとか、念じるとか必要ないからです。
でもあなた方は聖霊を全て扱えるわけではないのです。
そこで「神霊力」という言葉が分かりやすくなってきます。」
聖人「というと?」
ゼルエル「聖霊ができることの全てを100%としましょう。
「神霊力」がその中でできる事は30%ぐらいです。
あなた方が聖霊の中で扱える力は、あなた方がイメージするとおり
「火」や「水」や「光」や「剣」といった形を取らなければ
具現化することができません。それが「神霊力」です。
そして「人形」もそれは一緒です。
「神霊力」は人間からすれば強大な力ですが、聖人が「剣」を出すときには
イメージしなければなりませんね?」
聖人「確かに・・。」
ゼルエル「聖霊の力を使いきれないのは、体の構成や、
存在そのものの意味・強度にも拠るのです。
もともとあなた方人間は聖霊も新霊力も行使するように作られていませんし、
聖霊を行使できたとしてあなたの体は持たないでしょう。
一瞬にして塵になります。
そういった理由からもいくらあなたがこれから神霊力を使いこなせるように
なったとしても、私たちには勝てないのです。」
聖人「前に「魂」に触れられないって言ってたよな?
それって直接危害を加えないとか、命を狙えないってことだろう?」
ゼルエル「そうです。」