パキパキ・・・




・・・という音がする。右手は前にかざしたまま・・
・・生きてるみたい。
聖人「あれ・・・?」
そっと片目を開けてみる。

とんでもない光景が目に飛び込んできた。
なんと「人形」が凍りついている。
うんともすんとも言わない。
ただすごい形相でこちらを攻撃しようとしていたのは判る。

すごい・・・!!
本当に「氷漬け」だ。
聖人「・・・助かった・・・」
聖人は安堵して胸を撫で下ろす。
ふと我に返る。

聖人「待てよ・・?これ・・どうするの?
生きてる・・のかな?」
ゼルエルに尋ねる聖人。
ゼルエル「生きていますよ。凍っているうちに砕いてしまいなさい。」
聖人「マジかよ・・・。」

確かにせっかく凍ってくれているのだから、今のうちに片付けて
しまいたい。
聖人「んじゃ・・・」
右手に「剣」を生成し、剣を振り抜く聖人。
ガシャ・・アアン!!
とあっさりと砕けて、煙のように消えてしまった。

聖人「ふうぅ・・」
ぺたっとその場に座り込む聖人。
ゼルエル「今の騒ぎで近所の人が来てしまいます!!
疲れているでしょうが立ち去りましょう!」
聖人「あ・・ああ・・。」

聖人は急いでその場を立ち去った。
生きた心地がしなかった。早く家に帰って落ち着きたい。心臓の音が聞こえる。
思い切り自分の家に向かって走り出した。