避けるだけでも体力を使う。
「剣」で早く反撃しなくては・・!

警官はあまり息が上がってなさそうだ。
どうする・・
っと考えている間に間を詰められた聖人。
聖人「やばい!!!!」

バチィッ!
という音と共に攻撃をはじく聖人。動き回って汗をかいてきた・・
相手の攻撃が早くて反撃に転じられない。
あせりと共に恐怖がこみ上げてくる。
清美ちゃんと戦った時とは少し違う。
どうするか・・何か引っかかる。

聖人「神霊力・・・」
おもむろに呟く。
聖人「神霊力を使うのはドールも俺も一緒なんだ!!」
何か閃いた聖人。
聖人「そうだろ?」
ゼルエルに向かって聖人が問う。
ゼルエル「そうです。よく気がつきました。(言ったつもりでした。)
神霊力は貴方の「剣」も、ドールの爪や炎も同じ力なのです。
イメージして造られたその剣が形を成すことができるなら、
相手の炎と同じものをも聖人が造りだせるのです。]

聖人「よっしゃ!!!」
息を吹き返したように力が漲って来たような気がする。
試しては無いが、神霊力でいろいろな技が使えるようになるはずだ・・!
相手が炎を纏っているならこちらは氷だろう。
攻撃に併せて凍らせるしかない。
安易な発想だが、他を試す時間も気力も無い。一発勝負だ。

聖人「いくぜ!」
聖人は剣を収め、氷をイメージした。
なるべく成功率を高めるために「剣」の生成に成功した右手を使うのが
最上と咄嗟に判断したのだ。
右手が心なしか冷たくなってきた気がする。
でもどう攻撃したらよいか明確にイメージできない・・・!
初めての体験だからだろうか・・
警官はもう目の前に迫っていた。
右手を警官の前にかざしてとにかく前に出すイメージをした。
失敗したら即死だ・・・!!

聖人「うわああああ!!!!」
聖人は叫ぶ。何も考えられなかった。
警官の形をしたドールがどうなってるかとか考えられる余地はなく
ただただ目をつぶって叫ぶしかなかった。