聖人は緊張して、ショッピングを楽しむ余裕が無い。

うれしい反面、クラスメイトとかに見られたらちょっと気まずい・・。
などと考えながら歩く。
彼女と歩くって、こういう気分なのだろうか?
ちっとも落ち着かない。

遥「ねぇ、ちょっと。聞いてる?」
聖人「あっああ、き、聞いているよ。」
しまった。聖人は思った。緊張して考え事してて聞いてなかった。

遥「次はどこ見る?」
聖人「で・電気屋・・」
遥「電気屋?何見るの?」
聖人「で、デジカメ。」
遥「へえ、ホンット電気製品好きよね。オタク?」
聖人「ば、ばか!ちげえよ!!」
聖人は思わず応える。
遥「ふふ、まあいいや。何かつまんなそうだから、もう行くね?」

聖人「い、いや別に・・・」
遥「いいよ、じゃあ次は聖人から誘って?」
聖人「あ・・ああ。」
遥「じゃあね~。」
遥は手を振りながら行ってしまった。なんだったんだ・・。
一緒に歩くとおもいきや、置いてかれてしまった。

聖人「(ああ、俺の馬鹿!!)」
聖人は心の中で自分を責めた。

ゼルエル「楽しめましたか?」
突然話しかけるゼルエル。
聖人「うわぁ!!」
聖人は思わずまた声をあげてしまった。
ゼルエル「すみません。でももうあの子が行ってしまったから出てきても
良いかと思いまして・・。」
聖人「まあ良いや。帰ろっか・・。」
ゼルエル「はい。」
聖人はゼルエルに人間界を案内するって言った手前、案内できなかった自分が
恥ずかしかった。でも遥と少しデート気分を味わえてまんざらでもないような
もっと積極的にできなかった自分に腹立たしいような複雑な気分だった。

家に帰り、夕方まで勉強して、久しぶりの休日を満喫して、
聖人は少し満たされた気がした。