ちょっと寒いが表に出る聖人。

ゼルエル「では、まず前回の戦いを思い出してください。剣の形を思い描きます。」
聖人は目をつぶって、剣の形をイメージする。
両手を前に出し、右手は剣の柄を握っているイメージ。
キュイイイ・・・・と、聞きなれない音がする・・・!

聖人はそっと目を開けると、
聖人「おおおおお・・・・。」
きらきらと輝く、そして透き通る剣が右手に握られている。
しかし重さはまったく感じない。
聖人「これ・・・。」
ゼルエル「もうこれですぐ剣を出すことができますね。
この剣は前にも言いましたが、「義」と「信仰」で構成します。
「義」の心が弱まったり、憎しみを強く抱いたり、不義を行うと剣は弱くなります。
「信仰」する心が弱まると、剣の形を成すことが難しくなります。」
聖人「信仰したことないんだけど・・・。」
ゼルエル「信仰とは特に熱狂的に信仰することばかりではありません。
その存在を信じることだけでも、信仰につながります。」

聖人「そういうもんかな・。」
ゼルエル「その剣は、どんな金属よりも硬く、さらに軽いのです。
霊のものを斬る事もできます。」
聖人「ゼルエルも?」
ゼルエル「人間の力では到底無理ですね。聖人も悪魔自体は相手にすることができません。あくまで「人形」だけです。」
聖人「そうか・・。どんなに修行を積んでも?」
ゼルエル「そうです。天の使いも悪魔も、霊質の体で、
天の使いも悪魔も考えたことが実行されます。」

聖人「?」
ゼルエル「結果だけを起こす事ができる・・。といえばいいのでしょうか?
例えば、貴方が何かを斬るとすれば、その右手に握られた剣で、対象を斬る・・。
という”行為”が必要ですよね?」
でも私たちは、切れると思えば切れている。そういう事です。
相対した時、貴方が両手で剣を握り、振り下ろそうとします。
見た目相手が動いていなくても、その振り下ろそうとする剣がおろせなくなる・・。
攻撃を仕掛けてきたとして相手が右腕を動かしたように見えても、
実際は左から斬撃が来る、とか。
これでは勝ちようもありませんね。」

聖人「絶対勝てないじゃん。」
ゼルエル「勝てると思うほうが傲慢ですよ。
何しろ私たちは宇宙の創造を担っていたのですから。」