聖人「目が見えなかったの?」
ゼルエル「象徴的な表現です。」
聖人「難しいんだよな・・いちいち。」
ゼルエル「そうですね。」
聖人「で、どういう事?」
聖人は聞けばすんなり答えが返ってくる様になって、どんどん会話に
のめりこんでいく。


ゼルエル「自分で決める事が増えるという事です。それによっていづれ
不完全さゆえに、滅びを招くことになりました。」
聖人「いきなりそこ?」
ゼルエル「良し悪しを自分の基準で決める様になったという事です。
あなたは自分のする選択が常に最良である自信がありますか?」
聖人「いや~間違いだらけだろうね。」
ゼルエル「そうですね。」
聖人「そこ素直すぎ。」

ゼルエル「ふふふ・・・。」
そういって笑う顔がすごくイイ。ホントは女なのではなかろうか・・・。
聖人はそんなことをふと思っていた。
女の子とこんな風に話したい・・!!
10代のごく自然な欲求であった。
というか天の使いに対してこういう事考える時点で間違っている。
難しいものだ・・。

聖人「そういえばもう一人・・。」
ゼルエル「はい。エバですね。エバはアダムのあばら骨からとられ、{女}と
なりました。禁断の実を食べるきっかけはもともと彼女からです。」
聖人「そうなの?」
ゼルエル「そうです。蛇に唆されて・・・。」
聖人「悪魔か・・。」
ゼルエル「そうです。彼は天でも力が強く、容姿もとりわけ美しかった。
だからこそ、神に対する人間の賞賛を自分の物にしたかったのです。」
聖人「気持ちすごく良くわかるかも。」
ゼルエル「そうですね。人間の方が、彼の気持ちを理解しやすいかもしれません。」
ゼルエルは遠くを見て言った。
ゼルエルの友達に悪魔が居るのだろうか・・・。
聖人は訊こうとしたがやめた。
話は続く。
ゼルエル「人間は神の像{かたち}に造られました。
ただ単に姿形が似ているだけではなく、深い愛情や慈しむ心など、
内面的にも神の特質を持っています。
神の云われることを忠実に守り行っていれば、今でも楽園は続き、
アダムとエバの姿もあったでしょう。神はそう望んでおられました。」
聖人「なるほど・。」