ふと清美の動作が止まる。
清美「今日はこの辺にしておこうかしら・・。また明日も授業があるし。」
聖人「・・・!?」
このタイミングで!?どういうつもりなのか。

聖人「待てよ。」
清美「なあに。」
そういって振り向く顔はいつもどおりの清美ちゃんだ。
聖人「どういうつもりだ。」
清美「別にぃ・・。お互い今戦うのは得策ではないでしょう・・。」
そういって妖しく微笑む。
聖人「(どう思う?ゼルエル?)」
ゼルエル「惑わされてはなりません。今討たねば聖人が危険になります。
躊躇してはいけません。あの「人形」は間違いなく貴方の敵です。」

聖人「だよな。」
清美「つれないわねぇ・・・!!!」
そういってまた形相が変わった・。
次の攻撃でお互い最後になる。そう聖人は直感した・・!!

聖人「うわあぁ~」
そういいながら聖人は向かっていった。
怖い。戦いは初めてだ。喧嘩ではなく、命のやり取り。
一瞬で終わってしまうかも知れない。
でも、どうせ・・・誰も俺の帰りを待っていない。
でも、もしかしたら・・・この戦い自体は、誰かを救えるかもしれない戦い。
少なくとも、クラスメイトは今より安全だろう。

そう思ったら、聖人は少し怖くなくなった。
夢中で剣を振り下ろす!!!

清美「ううっ・・・!!」
清美はうずくまり、前のめりに倒れた・・・。

清美の体から蒸気らしい白い煙が出て、溶けるように消えていく・・・・

聖人「これは・・・?」
ゼルエル「もともと人間ではありません。
核を取り巻いていた霊子が解き放たれ、分解しているのです。」

倒した余韻に浸るまもなく、あっさり消えてしまった。
聖人「清美ちゃん・・・・。」
いったいいつ頃から入れ替わっていたんだろう・・。
美人な清美ちゃんを見て、将来こういう人と結婚できたらなんて想像すら
していたのに・・・・。
厳しくも優しかった清美ちゃん。どこまでが本物の彼女だったのだろう。