「ちえ、お前はいいのか?」


父が私を見て言う。



「うん」


「結婚って、そんなに簡単なものじゃないんだぞ?覚悟はできているのか?」



「うん。大丈夫」



1分くらいだろうか、沈黙があった。




そして…




「高橋くん、ちえをよろしくお願いします」


深々と頭を下げて、父が言った。





「ありがとうございます!!!」


ケンも深々と頭を下げた。




「お父さん、ありがとう!」





私とケンは舞い上がっていた。




しかしこのとき、母だけが晴れない表情をしていた。