シンっとなった教室。


「……これが、したかった事か?」


俺は小島さんを真っ直ぐに見つめると、そう言った。
それはもしかしたら責める様な言い方だったかもしれない。


だけど、皆の無言の視線が小早川を追い出す様に仕向けていて、どうしたってそれが俺には許せなかった。



「俺は確かに小早川が何をしたのか知らない。
だけど、例え知ってても俺は小早川をクラスメイトとして、皆と同じ様に接するよ。
小早川が許されない事をしてしまったとしても、それで彼女を追い出す様な事はしない。
それって、ただのイジメだろ?」


皆が黙って、俺の話に耳を傾ける。



「実際、小早川が皆に何かしたのか?
二か月程しかこの学校にはいないけど、小早川は普通に授業を受けていた。
授業を妨害する事もなかった。
それなのに、そこにいるってだけで追い出そうとする程に君達は薄情で非情なのか?」


そう言うと、気まずそうにクラスメイトは口を噤む。
すると、一人が手をすっと上げた。

それは小島さんとよく一緒にいる時任さんだった。