俺もどうしようもないな。
ははって自嘲しながら、その桜の木の下に腰かける。


初夏の風が優しく俺の顔を撫でて行く。
少しだけ落ちた太陽。


浮かぶのは、小早川の事。


俺の気持ちとか、関係なしに小早川の過去を知りたかった。
その場所から彼女を救ってあげたかった。


……それが小島さんの言う、偽善って事なのかな。


わかんねえや。
腕を組むと、顔を俯かせる。



いつの間にか落ちて来た瞼。
最近遅くまで作業してたから、眠いな。


ぷつりとそこで俺の思考は途切れた。