「周りの目は180度変わった。
それでも話しかけて来る先生はいた。
だけど、その先生は“アレ”で学校辞めちゃった」



その、アレってのはきっと検査の時だ。
教頭先生も言っていた。

辞職した、と。



「私がいなくなれば、きっと皆が幸せになる。
琥珀でなく、私が死ねばよかったんだ」



俯いて、そう漏らす小早川。
きゅっと悔しそうに唇を噛む。


その、小早川の肩を掴むと俺は真っ直ぐに小早川を見据えた。



「ふざけんなよ」


俺の声は微かに震えていたと思う。
目の前で、死ねばよかったって彼女は言った。



「誰かが死んで幸せになる事なんてありえない」



どうしても、俺はそれが許せない。
俯いたままの小早川の耳に、俺の言葉がちゃんと届く様に。


ハッキリと一言一句伝える。