「これで一生一緒だな」

「そうだね」


笑顔のまま、琥珀は間を空けるとぼそりと呟いた。


「……玲織奈、ごめんな」

「え?琥珀?」



最後の方はうまく、聞き取れなかった。
琥珀、もう一度言おうとした瞬間。


急に深い場所が現れて、足を取られる。


沈む琥珀と私。


ゆっくりと琥珀は私の体を引き寄せて抱き締める。



海水の中ではうまく、琥珀の顔が見えない。
波の所為で、意識とは別に体が流されていく。


段々、息が苦しくなって視界が霞んで行く。



(……琥珀)



最後に見た琥珀は、微かに笑っていた気がした。



そこで、私の意識は途切れた。