なのに、周りが許してくれなかった。
琥珀の両親に私との交際を反対されていた。
特に母親に。
厳格な父と、口うるさい母。
琥珀はそう私に言っていた。
片親で育ってる私をどうしても認める事が出来ないと、目の前で言われた事もあった。
それでも、私は琥珀と別れるなんて事はしなかった。
そんな私と琥珀に業を煮やした彼の母が、遂に琥珀を家に閉じ込めたんだ。
学校には迎え付き。
話せるのは学校でのほんの少しの休憩時間。
「……何で認めてくれないんだろう」
「琥珀」
二人きりの、貴重な時間。
誰もいない校舎裏。
人の目を盗んで、会話をする私と琥珀。
悪い事なんてしてないのに。
お互いがお互いを好きなだけなのに。