「半分コ」

「……嬉しい」

「よかった。焦った」

「……」

「ああ、もう泣くなよ」

「泣いてない」

「泣いてる。本当に玲織奈は泣き虫だな」

「そんな事ないし」

「はいはい」


しょうがないなーと呆れながらも、琥珀の口元は緩んでいる。
優しく頭をぽんぽんすると、そのまま顔を近付けた。



静かに重なる唇。



幸せだった。
大好きだった。


琥珀以外、何も要らない。


本気で思った。