「先生」

「……言うな」

「聞いて、先生」

「……」

「あの日から私は何もかもが嫌だったの」

「……」

「生きてる事も、学校に行く事も、笑う事も、寝る事も、美味しいと思う事さえも。
全てが琥珀から奪ったモノだと思ったら、感動なんて微塵も感じなかったの」



俺だけを捉えるその瞳から、逃げられない。



それを聞いてしまったら。

俺は耐える自信なんてこれっぽっちもない。



「だからね、また好きだって思う様な人が出来た時は。
……この上ない、裏切りだと思った」


じわじわと、涙が込み上げて来た。
目の奥が熱くなって来て、どうしたって涙腺を刺激する。