「おいおい、何も全員そろって甘いもん買うこたあねえだろ」




ガラの悪い江戸の言葉。




土方さんだ。




「まあ、そう言うなトシ。

 みんな杏子くんのことが心配だったということだろう」




えっ……




近藤さんの言葉に、思わず声が出そうになってしまった。




その後も、皆の会話は続く。




「杏子に甘いもん食ってもらって、元気になってもらおうって考えは、皆一緒だったってワケだ」




この声は……原田さんだ。




「近藤さんと山南さんは、まんじゅう。

 俺と佐之さんとしんぱっつあんは団子。

 土方さんは金平糖か」




「しっかし、よくもまあ、これだけ集まったな」




にししっと永倉さんの笑い声が聞こえる。




「だけど、残念でしたね。

 甘いものは、さっき僕と杏子ちゃんで食べてきちゃいましたから」




「そうなんだよなー、ずりいぞ、総司!」




得意げに話す総司と、ちょっぴり悔しそうな平助くんの声