『この“星の欠片”の1つ、彼に返しに行きませんか?…これと一緒に。』

俯いていた顔を上げた私に、にこっと笑顔を向けた彼はオルゴールを手に取りそっと私の手のひらに乗せた。

そしてそれと私の手を包み込むように自分の手を重ねると、キュッと軽く握りしめた。

『このオルゴール、2つで1つなんだそうです。
2つ揃って初めて1つの曲を奏でる…。
素敵なメロディー、聴いてみたいと思いませんか?』

嬉しそうに口元を綻ばせる彼を見つめながら私はコクリと頷いた。

そして上目遣いで、少しはにかんだ笑顔を浮かべながら小さく呟いた。