『それは…彼女の日記です。そのオルゴールと共に私の祖母に送られてきたそうです。』

私はそれを膝の上に置くと何も書かれていない表紙をじっと見つめた。

そこには知りたいことの全てがあるような気がして…

祖母の秘密を覗き見るような気がして…

『見るか見ないかは、凜さん…あなたが決めてください。』

戸惑う私にはっきりと言い切った彼を横目に私はひとつ息を吐いた。

そして軽く口唇を噛みながら一番最後のページに手をかけた。