『彼が持っているものは、それと同じであって違うもの、です。』

…?

キョトンと首を傾げる私を見つめながらクスっと微笑んだ彼はまたカバンの中から何かを取り出した。

そして優しい視線を向けながらそれを私へと差し出してきた。

『それは…』

目の前に差し出されたものは一冊の古びた本で、

私は持っていたオルゴールをテーブルの上に戻すと黙ってそれを受け取った。