『っと、その前に…』

彼はボソボソと呟きながらカバンの中から何かを取り出しテーブルの上に置いた。

『それは…?』

それは手のひらにすっぽり収まるぐらいの大きさの茶色い木の小箱。

上には何かが取れたような跡がある。

『開けてみてください。』

私はコクンっと小さく頷くと握っていた鍵を彼に返した。

そして不思議に思いながらもそれを手に取った。