ほんっと、キャーキャー言ってるのと同じような性格、声、見た目。
……のはずなのに。
よく分かんないけど、キラキラしてる。
美人っていうオーラじゃない。
ものすごく可愛いオーラじゃない。
オーラなんかじゃなくて、そのもの。
その子自身がキラキラしてる。
それに、一緒に学校に行こうと誘えば、
遠回しに断る。
え。
まぁ、期待を裏切るには、まだまだこれは序の口。
今までに俺は、女の子の下の名前を“ちゃん”付けで呼んだことはない。
じゃあ、呼んでみるか。
あ、その前に。名前は……。
……篠崎菜美。
うん、普通そうだ。
“菜美ちゃん”
心の中で、呼んでみた。
うわ、なんか呼んでる俺がキモチワルイ。
まぁ、どうせこの子だって一瞬で落ちるわけだし、一回だけ呼ぶか。
……あれ、待てよ。
今日って、月の光が明るくないか。
もしかして、満月……。
「菜美ちゃんかぁ…」
ちょうどいい。
ここで、どんな子か調べるとするか。
…………あんまり、バンパイアになるのは好きじゃないんだけど。