おおお!!
夢じゃ無かったのかぁ……!
嬉しい……!
「な、菜美……?」
「えっ、な、何っ?!」
「大丈夫?熱は無いか?」
そう言って大狼君の手が、私の額に伸びてくる。
え?!
すると、途中で止まって、
儚げな表情が、一瞬だけ見えた気がした。
……大狼君…?
「体温計持ってくる…」
「……ありがと…。」
どうしたのかな……。
あの表情は……?
「はい、計って」
体温計を渡して、私から離れていった。
一度も、顔を見ないで…。
疑問に思いながらも、体温を計ってみる。
「……あ、熱は無いみたいだよ」
「そっか、良かったな……」
「あの、看病してくれたんだよね?ありがとう!」
「……じゃあ、帰るか……」
大狼君は先に保健室を出て行ってしまった。
不機嫌なの……?