寝た訳じゃないけど、とりあえず体を起こす。


さっきのは夢!絶対に夢だ!


そう思い切って、キッチンへと向かう。



ピンポーン……



また?!


あー、木戸さんだったらどうしよー…!


おそるおそるドアを開けてみる。



「こんばんはー!」



そこには、誠実そうな、

でも少しだけツンツンとした髪の毛で、

はっきりとした顔立ち。

はい、やっぱり同じ高校の制服。

ネクタイの色が同じだから……同級生?



「下に引っ越してきた、大狼晃太です!」



下かー、うるさくしちゃダメだねー。


ん?大狼晃太?


学年委員長だっけ?たぶん。


へぇー、こんな顔なんだー。



「えっと、篠崎…菜美さん…ですよね?」


「はい、え、なんで私の名前……」


「えっと、あ、ココ書いてあるんで!」



名前の書いたプレートを見て笑った。


キラキラした笑顔がすごく眩しい。


……ん?菜美?


私全然有名な人じゃ無いんだけど……。


「あ……じゃあ、菜美って呼んでいい?!」